資源を生かした住まい  (テーマ別リフォーム事例)

継承の平屋

第24回 (独)住宅金融支援機構理事長賞 2007年

持家一戸建 大阪府茨木市

 現行の耐震基準に適合する構造性能の確保、ペアガラス導入などに よる各部の断熱・気密性能の向上、さらに、太陽光発電導入による省エ ネルギー効果などで、性能面は全体にバランス良く向上している。広い 屋根を活用した雨水利用のタンクは庭の微笑ましいアクセントである。 床は出入口も含め基本的にフラットであり、バリアフリー性を高めている。 他方、和室は30cmほどの高低差を明確に設けて(畳下は収納スペー ス)、空間にメリハリを付けている。

 平屋のメリットが良く生かされているだけでなく、子供が独立し、2人 だけの生活となった場合でも、そのまま長く使い続けられる構成であり、 サステナブルなリフォームとして完成度が高い

構造在来木造
築後年数32年
総工事費3,300万円  (該当部分工事費 3,300万円)
総工事床面積261m²  (該当工事面積 261m²)
居住者構成 15歳以上65歳未満: 4人     ペット: 猫1匹

特に配慮した住宅性能 省エネ:間取りの一新に伴い開口部、壁、天井・床の気密・断熱性を上げた。太陽光発電、庭散水のための雨水利用タンク(樽)を設置。

リフォームの動機

祖父が建てた平屋住宅を孫にあたる施主が、その佇まいを生かして改修、移住することとなった。

設計・施工の工夫

立派な門構えを持つ玄関であったが、駐車場がないことから勝手口のあったエリアに駐車場と新玄関を設け、旧玄関を副玄関として残した。 間取は個室傾向が強く、また広い庭との関連が弱いことから、ほとんど変更した。その際できる限り現在の基準に近づくよう構造を見直し補強している。L.D.Kはワンルーム化し、南の前庭に最大限に開放した。

祖父が力を注いだ庭も、既存の門構えや建物内部とのつながりを考慮し、石や樹木を再構成しながらリフォームを施している。230坪の広い敷地に悠々と建つこの平屋住宅。外部からの様子は、リフォーム前と大きくは変わらない。しかし実はハードもソフトも全く一新されている。その小さくて大きい変化を施主ご家族にも気に入っていただけたようだ。

設計者:なづな工房 一級建築士事務所  (担当 嶋崎 真二)
施工者:(株)マサキ工務店  (担当 政木 朗)

リフォーム前:平面図 リフォーム後:平面図
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