Step5 工事完成後の相談
簡単な補強工事が300万円、 高齢者を喰いものにする悪質業者

相談事例一覧へ戻る
事例
一人暮らしの 80歳の母が、訪ねてきた訪問販売業者に300万円でリフォーム工事の契約をさせられた。
業者は、工事前に契約書に判を押させ、その時は契約書を渡さず、一体幾らの工事費なのか、詳細を知らせないままに工事を開始した。完成段階で契約書に工事額を書き込み、額面どおりの金額を支払えという。そして銀行まで同行して貯金を引き出させた。この工事は耐震補強というが、床下に金具を何本か取り付けただけの簡単なもので、とても100万円を超えるような工事とは思えない。
消費生活センターに中に入ってもらい、60万円を返金してもらうことになった(既に40万円は受け取っている)。それでも約240万円になり、あまりにも高い。あと少しでも返金させられないか?

コメント

  • 情報の少ない高齢者を喰い物とした悪質な訪問販売業者とのトラブル事例である。契約や工事内容について十分な判断能力を持たない高齢者が、強引な勧誘を受けて常識外れの高額で工事をして、既に支払いも終えてから、そのことに気がついた家族が、これまでに支払った工事額の返還を求めたケース。しかし、既に消費生活センターによる斡旋(あっせん)も終えていることでもあり、本事例は法律面からの対応が適切と判断できる。
  • 本事例からも悪質業者の手抜き工事の「手口」の一端が浮かび上がる。工事場所は人目につかない床下であり、工事が適正であるかの確認は床下に潜らない限り不可能(はたして見積書に明記された数量だけの補強金具が実際に取り付けられているかの確認は高齢者の施主にとっては事実上不可能)。工事の完了時には床は閉じられており、外観を見ても耐震補強工事の出来栄えがどうであるかは全く分からない。

    ※床下の防湿工事や白あり駆除も、耐震補強工事と類似する点が多く、訪問販売業者の狙い目となっている。

対策

  • 本事例のように法律面での判断が不可欠な相談については弁護士会の法律相談所等への相談を勧める。
ページの先頭へ