資源を生かした住まい (テーマ別リフォーム事例)
都心の狭小空間に住む
オフィス空間を住空間に作り変えた作品。3.9mの天井高を活かしたロフトや、 床段差を設けるなど、住宅らしからぬ変化ある空間を創出している。コンバー ジョンの面白さと可能性を感じさせてくれる。
構造 | 鉄骨造 |
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築後年数 | 15年 |
該当部分工事費 | 500万円 |
該当工事面積 | 42.16m² |
居住者構成 | 15歳以上: 2人 |
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- 都内の一等地に建つ10階建貸事務所ビルの最上階をオフィス空間から住空間へ変更したリフォーム計画である。
- 最上階のみオーナーのプライベートオフィスとして使用されていたが2人の子供(学生)の下宿先として、また将来はオーナーが都内での拠点として利用する事を目的に最小限の住居空間を要望された。
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- 最上階はEV機械室で床面積の1/4程度を占め、道路側のオフィススペースと出入口が細い廊下で繋がる変形した平面形をしている。
- また、廊下とオフィススペースとは500mmの段差があり、オフィス側の天井高さは大きく(CH=3,900mm)とられていた。
- その段差と高い天井高を最大限に利用し、一部にロフト空間を設ける事で限られた空間に新たなスペースを生み出した。
- 新たな要望であった洗面・シャワーユニットの水回りをコンパクトにまとめ、そのコアの上にロフトスペースの床を重ねる事で2段の空間構成となっている。
- ロフトの天井高さは最低限(CH=1,300mm)ではあるが、リビング・ダイニングと空間的に繋がり落ち着いた2人分の寝室スペースとなっている。
- 収納スペースは可能な限り最大限に設け、クローゼットの一部はデスクとしての利用も可能である。
- あえて都心に住むために得た空間は狭小ではあるが、家族同士の新たな交流も生まれ楽しく暮らしておられるようだ。
- 尚、法規上は改装範囲の床面積が小さいため、用途区分変更の必要はなく、以前の「事務室」として扱うため防災設備(火報、誘導灯等)は継続して設置している。
設計者:一級建築士事務所龍口元哉建築設計事務所 (担当 龍口 元哉)
施工者:セキスイファミエス東京(株) (担当 原田 直人)