耐震のヒント1-適切な工事のための耐震診断

わが家は築30年の木造住宅です。万一大きな地震があっても大丈夫ですか?

国は、全国の木造住宅の約40%は耐震性能が不十分だという試算結果を出しています。特に、1981年に制定した新耐震基準の以前に建てられたものは、地震に弱いといわれていますので、築30年の住まいは要注意です。一度、建築士などの専門家に、住まいがどのくらい地震に対して強いかという耐震診断をしてもらいましょう。

築30年だけど大丈夫なの?

耐震診断をするには誰に相談したら良いのでしょうか。どこかで、専門家を紹介してもらえるのですか。

耐震診断をする専門家は、市町村の役所にある相談窓口や地域の建築士会や建築士事務所協会などで紹介してもらうこことができます。そして、その診断の評価を元に改修計画を立て、改修工事を行ってもらうとよいでしょう。耐震診断の考え方や工事の内容は、その2、その3で詳しく説明いたします。

耐震診断をするには

※参考:住宅の耐震診断・改修工事の相談窓口一覧 (日本建築防災協会

耐震診断の考え方

住まいが地震に対して安全か、そうでないかを判断するために、耐震診断というものがあります。

専門家が行う診断は、一般診断法と精密診断法の2種類がありますが、一般的な木造住宅であれば、一般診断法で十分です。評価は4段階に分かれ、数値で表されます。この数値がより小さい方が耐震性がなく、危険であることを示しています。地震による被害の大きさは、震源地の深度や距離、時間、揺れ方など一様ではないのですが、この診断法で「倒壊しない」と評価された場合、だいたい関東大震災なみの震度6強の地震がおきても、建物が潰れてしまわないレベルと考えてよいでしょう。「倒壊する」は、人命が奪われるほど建物が破壊されてしまう状態を指します。この評価の第一の基準は「生命の安全」ですので、震度6強より弱い地震でも、タイルにひびが入るなど、建物に被害が出る可能性はありますので、そのことは承知しておいてください。

築30年くらいの木造住宅は、ほぼ全ての住宅が耐震性が不十分といわれています。建ててから30年以上経った住まいは早めに耐震診断をして、問題点を知り、改修工事を実施するなど、対処した方がよいでしょう。

耐震診断の考え方

「誰にでもできるわが家の耐震診断」
10の質問事項が設定されており、簡単に住まいの耐震性について自己診断ができます。ただし、ちゃんとした診断をするには建築士などの専門家が行う耐震診断を受けてください。

耐震診断のポイント

さて、住まいの耐震診断をするには、その建物がどういう状態なのかを調べる現地調査が必要となります。以下に、調査のチェックポイントや、その見方などをご紹介します。

住まいがしっかりしているかどうか最初に確認するところは、建物の土台部分にあたる床下や基礎の部分です。外側から住まいの基礎部分や壁にひび割れがないかを見たり、床下に入って、基礎と土台などの木材とのつなぎ部分がはずれていないか、また白蟻や木喰い虫などの喰害にあっていないかどうかを調べます。また、床下にはいろいろな配管や配線が通り湿気などがたまりやすいので、周りの木が腐ったり欠けたりしていないかなども確認します。

耐震診断のポイント

それから屋根と天井の間の小屋裏も見ます。屋根を支えている木材が腐ったり、喰害にあっていないかどうか、さらに、壁に筋かいが入っているか、この筋かいがちゃんと柱にとまっているかどうかも確認します。室内では、浴室やトイレが要注意部分です。浴室やトイレなどの水回りは湿気が多いところなので、木も傷みやすく虫害が発生しやすいので、壁などを叩いて音の変化で内部の状態を確認します。

さらに図面で壁に筋かいが入っているかどうかをみたり、実際の壁の位置や大きさなどがバランスよく配置されているかどうかを確認して、診断書を作成していきます。

筋かい

診断を頼んだらすべてお任せにするのではなく、病気を医師にみてもらうときと同じように、診断内容や改修方法などを自分で納得のいくまで説明してもらうようにしましょう。そうすることが、より適切な耐震改修につながります。

最近は、無料で診断するといって住まいに上がりこみ改修工事の契約を結び、本来不要な工事をしたり、高額な請求をする業者が社会問題になっています。こうした悪質な業者にだまされないようにするには、診断を頼んだらすべてお任せにするのではなく、病気を医師にみてもらうときと同じように、診断内容や改修方法などを自分で納得のいくまで説明してもらうようにしましょう。そうすることが、より適切な耐震改修につながります。

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